ネットスケープ社・ジム・クラークとの出逢い

西武の代表取締役を辞任するというニュースが流れると、色々な反響があり、沢山の励ましも頂きました。
アメリカのシリコンバレーで30年以上もコンサルタントをしてきたTak山本さんからのファックスもその中に交じっていました。そこにはいきなり「西武を辞めるならば、アメリカのインターネット・ブラウザーの会社「モザイク・コミュニケーションズ(現在のネットスケープ・コミュニケーションズ社)」が日本進出を考えているから、社長をしないか」と書かれていました。
インターネットの存在は知っていたものの、「全くのド素人の私になんでまた白羽の矢を立てたの?」と訊くと、ファウンダー(創業者)のジム・クラークは、「コンピュータのプロはいくらでもいるよ。でもアメリカではインターネット商取引は実用化寸前のところまで来ているんだ。だから革新的流通業、すなわちコンテンツと商売がわかる経営者が欲しいんだよ」と答えました。たしかにこの翌年、シアトルではすぐさま世界最大のネット書店に成長する「amazon.com」が創業したのですから、いつもジムの慧眼ぶりにはびっくりさせられます。そのころすでに私は慶応義塾大学の湘南藤沢キャンパスで研究の傍ら教鞭を執ることが決まっていましたので、「社長はムリだけど顧問ならば」と引き受けることにしました。
まさに日本のインターネットの爆発的普及の前夜に立ち会う幸運に巡り会えたのです。
私は、5年後ジムがネットスケープ・コミュニケーションズ社をAOLに売却した時に顧問を引きましたが、それまでの間は毎日、インターネットという新たな大陸探検での新発見の連続でした。

母校慶応大学 ⇒