政治の世界へ

そんなソシアル・マーケティングを研究しはじめてみて、この政治・行政分野でも大きな問題意識を持ち始めた時に、友人で作家の石川好君から電話が掛かってきました。
「参議院選挙にさきがけの比例代表候補で出ないか。実は僕も神奈川県から立候補するのだけど、一緒に政治を変えよう」というものでした。新党さきがけの鳩山由紀夫君は私の幼なじみということもあって、この新党の動きには大いに関心を持っていましたので、任期6年間は大学での研究は中断してしまうが、これは政治、行政の世界でのソシアル・マーケティングを実践的にフィールド・ワークする千載一遇のチャンスだと思いました。
周囲の反対もありましたが、ここでもわがままを許してもらいました。人生は一度しかないのですから……。
そして当選。
まったく素人の政治家の誕生でした。それまでの実業の世界での経験、大学でのソシアル・マーケティングの経験を生かした、政治を目指そう。そのためには「政治屋」にならずに、普通の生活者の感覚を持ち続けよう。それが反対していた家族や友人への私なりの約束でもあったからです。
この6年間で、普通だったら20年掛かる経験をすることができました。比例代表議員という責任感から分裂してわずか5人になってしまったさきがけに残ったために、与党の一角で、政策責任者を勤めることになったのです。まったく運命というものは不思議なものです。そのかわり、政治というもののメカニズム、役所のメカニズムにイヤと言うほど接して、この国にソシアル・マーケティングという概念もそれを育てる土壌もまったく欠落していたことを図らずも目の当たりにすることになりました。
そして、最後の一年は、さきがけの実質的な解党と共に、同僚だった堂本暁子さんと一緒に無所属に。「比例代表議員が無所属になるというのは、自殺行為に近い」とも言われましたが、6年間と決めた期間をしっかりと勤めることが最初からの決心だったので、ここでもわがままを通しました。

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